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2000/01/02

危ない合成着色料

着色料は製造、加工時に色をつける目的で使用する色素で、食品だけでなく化粧品、医薬品などにも幅広く使われています。化学合成により作られた着色料を「合成着色料」と呼んでいます。
最近は食品ラベル上では「着色料」と表示されています。食品衛生法で使用可能な着色料が指定されており、1日あたりの摂取量も定められています。

【知っておきたい 危ない合成着色料】
 
着色料には、主に石油製品から作られる「合成着色料」と、自然界に存在する動植物から作られる「天然着色料」があります。
添加物の中でも特に避けたい危険な着色料は、「合成着色料」と、「天然着色料」それぞれにあります。
 

合成着色料
合成着色料は、タール系色素ともよばれ、石油製品から製造されます。
合成着色料は「赤2」のように色表記の後に数字で表記される場合があります。
 
合成着色料(赤色)
食用赤色2号  
かき氷のいちごシロップに使用されることがあります。  
じんましん等アレルギー症状、妊娠率の低下、発がん性などが報告されており、北欧やアメリカでは使用が禁止されました。  
 
しかし厚生省(当時)はそれらの試験報告は「ミスがある」として、この合成着色料を食品添加物として認可しています。  
 
食用赤色3号  
ピンクがかった赤色をしており、たんぱく質となじみが良く、かまぼこやなるとに使用されることがあります。  
急性毒性はありませんが、動物実験によって慢性毒性が認められており、甲状腺腫瘍や赤血球減少などがみられるという指摘があります。ドイツやアメリカでは食品への使用が禁止されています。  
 
しかし、日本では指定添加物リストから削除されておらず、使用することは可能です。  
 
食用赤色40号  
駄菓子、清涼飲料水などに使用されていますが、赤色2号と同じく発がん性が濃厚なので製造業者も不安があるのか、使用している商品は少ないようです。  
それと言うのも、このタール色素は1991年まで厚労省が使用を認めていなかった食品添加物だからです。  
アメリカやカナダなどの圧力で使用を認めるようになったというわけで、良心のある企業、もしくはトラブルを恐れる企業が、使用を避けるのも当然といえるかもしれません。  
EUでは「子どもの行動と注意力に有害影響を及ぼす可能性がある」として注意喚起表示が義務付けられています。  
 
食用赤色102号  
紅しょうがや福神漬けに使用されることがあります。  
動物実験によれば、発がん性は認められなかったものの、肝機能低下や赤血球の減少がみられたという報告があり、また、子供にジンマシンを起こさせる合成着色料だといわれています。  
アメリカやカナダは、このタール色素を食品に使用することを禁じています。  
EUでは「子どもの行動と注意力に有害影響を及ぼす可能性がある」として注意喚起表示が義務付けられています。  
 
食用赤色104号  
でんぶ、かまぼこ、ソーセージ、和菓子などに使われますが、細菌の遺伝子を突然変異させ、発がん性の疑いもあるため、これを食品用に許可している国はほとんどありません。  
 
最近では国内メーカーも使用を避けている様子ですけども、やはり一部の企業は使用しています。  
 
食用赤色105号  
急性毒性はありませんが、動物実験で肝臓と甲状腺に異常がみられたという指摘があります。  
ほとんどの国で使用禁止となっており、日本でもあまり使用されていません。  
 
しかし、日本では指定添加物リストから削除されておらず、使用することは可能です。  
 
食用赤色106号  
ややピンクがかった赤色に着色でき、漬物、生姜漬け、魚肉ソーセージ、洋菓子、桜えびなどに使用されています。  
肝機能障害や発ガンの疑いが払拭できないため、外国では食品添加物として許可していません。 これを食品用として認めている国は日本だけです  
 
合成着色料(黄色)
タール系の着色料のなかで、もっとも使用されている。蕁麻疹(じんましん)、鼻炎、ぜんそくなどのアレルギー症状を引き起こす可能性があり、ヨーロッパ諸国では使用の規制があります。  
 
食用黄色4号  
漬物や数の子などに使用されることがあります。  
急性毒性も慢性毒性も認められないとして、認可されているわけですが、動物実験で胃腸の異常や染色体への影響などがあったという報告もあります。  
EUでは「子どもの行動と注意力に有害影響を及ぼす可能性がある」として注意喚起表示が義務付けられています。  
 
食用黄色5号  
清涼飲料水やお菓子に使用されることがあります。  
動物実験でも発がん性はみられず、食品添加物として認められています。ただし胃腸に影響が認められたという報告もあります。  
EUでは「子どもの行動と注意力に有害影響を及ぼす可能性がある」として注意喚起表示が義務付けられています。  
 
合成着色料(青色)
食用青色1号  
かき氷のブルーハワイシロップやカクテルに使用されることがあります。  
動物実験により、発がん性が確認されており、ヨーロッパ諸国では使用禁止です。  
 
日本では指定添加物リストから削除されておらず、使用することは可能です。  
 
天然着色料
天然着色料は、動植物から色素を抽出して製造されます。  
天然由来成分ですが、一部天然着色料に発がん性やアレルギー面で気になる点があります。  
 
カラメル色素  
カラメル色素は、糖類を原料とした天然由来の着色料です。  
 
処理方法によってⅠからⅣまで分類されます。  
Ⅰは糖類を加熱処理のみをしたものです。昔ながらの製法で、家庭でも作ることが可能です。しかし、製造コストが高いため使用されていることはほとんどありません。  
Ⅱは糖類に亜硫酸化合物を加えて製造しています。日本では亜硫酸の使用が禁止されているため、カラメルⅡが日本の加工品で使用されることはありません。  
ⅢとⅣについては、熱処理の際に加えられたアンモニア化合物が、有害物質を作り出すことがWHOの発表によって明らかになっています。  
この有害物質である4−メチルイミダゾールは、米国国家毒性プ ログラム(NTP)による動物実験の結果によって発がん性が疑われています。  
 
購入時は「カラメル色素」のみの一括表示のため、どの製法によって作られたカラメル色素で あるのか購入者側からその安全性を判断することは不可能です。  
 
コチニール色素  
コチニール色素は、エンジムシから得られる天然由来の着色料です。  
カルミン酸色素、着色料(コチニール)着色料(カルミン酸)と表記されることもあります。  
 
2012年に消費者庁がアナフィラキシーを起こす可能性があるとして注意喚起をしているので気を付けたい着色料です。  
 
コチニール色素を含む化粧品に使用や食品などの摂取により、かゆみなどの体調の変化を感じた場合は、すみやかに皮膚科やアレルギー科の専門医を受診してください。そして、コチニール色素が原因と疑われる場合には、以下を参考に、コチニール色素を含む製品の使用や摂取を避けるようにしてください。  
引用:消費者庁 コチニール色素に関する注意喚起  
 
上記で解説した危険な着色料をまとめました。  
【合成着色料】
食用赤色2号  
食用赤色3号  
食用赤色40号  
食用赤色102号  
食用赤色104号  
食用赤色105号  
食用赤色106号  
食用黄色4号  
食用黄色5号  
食用青色1号  
 
【天然着色料】
カラメル色素(Ⅲ、Ⅳ)  
コチニール色素  
 

合成着色料が体に悪い理由  
合成着色料が体に悪い理由は、非常に分解されにくい化学物質でもあり、発ガン性や遺伝子への悪影響(胎児の奇形など)などの疑いが拭いきれないからです。 
タール系色素はもともと自然界に存在しない物質で、19世紀後半に作られました。 
タール色素はコールタールから化学合成されたものですが、その初期から発がん性が知らていたいわくつきの着色料です。 
コールタールを原材料とした合成着色料は発がん性が証明されたため、その代わりに石油製品であるタールを主成分にした合成着色料が使われるようになりました。 
タール系色素は、体内に取り込まれた場合は分解されにくいため、ホルモンや免疫システムを乱す恐れがあります。 
現在の食品関連業の中にはタール色素を嫌がる人も大勢います。その反面で、企業は現在でもこのタール色素に依存しているケースが多く見られます。やはり安価で便利だからでしょう。菓子や飲料など沢山の商品に使われています。 
和菓子などの作製にも不可欠ですが、使用は必要最低限にするなど、細心の注意を払いたいものです。 
 
合成着色料と天然着色料の違い  
合成着色料と天然着色料の違いは原料の違いと価格です。 
合成着色料(タール色素)は、石油製品から作られ鮮明な色で退色しにくい特徴があります。 
化学的に製造されているので不純物がなく、安定した供給が可能です。 
天然着色料は、動植物から色素を抽出しています。 
原材料や使用する目的によって抽出方法が異なり、熱や光などにも敏感です。 
そのため、安定して作り出すことが難しく合成着色料よりも高価となります。 
日本では紅花の赤色やクチナシの実の黄色、ヨモギの葉の緑色などの天然色素を食品の着色に使用しています。 
使用する食品によっては発色がくすんだ印象になりますが、日本人はより自然に近い色を好むことが多く、天然着色料は広く使用されています。 
 
天然着色料の殆どは危険がないのですが、かつてハムやかまぼこなどに使用されていた「アカネ色素」は、2004年になって腎臓の発がん性や遺伝毒性が分かって使用が禁止された例からも分かるように、全てが安全だと断言はできません。天然着色料にも疑わしいものは存在するのです。 
 
まとめ  
添加物は国によって使用基準が異なります。 
日本ではこうした食品添加物の規制が進んでいないのです。 
 
長期間の摂取や、複数の種類を組み合わせて摂取した場合の危険性は未だ解明されていません。 
 
また、一般的に安全性が高いとされる天然着色料であっても、アレルギーを起こす可能性があることをご理解いただけましたでしょうか。 
 
着色料はおもに見た目のための添加物です。含まれているお菓子や飲料水などに注意すれば、摂る量を減らすコントロールがしやすい添加物といえるでしょう。 
 
どんな食品であっても必ず安全ということはありません。 
危険性が明らかになっている添加物についてはできるだけ避ける生活をしてみてはいかがでしょうか。


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