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2000/01/02
体に悪い保存料
保存料は食品を腐敗させずに、長持ちさせるために添加される成分です。
細菌やカビの繁殖を抑える化学物質、つまり化学合成で作られた成分を「合成保存料」と呼んでいます。
本来は、食中毒を防ぐために使われるもので、日本では食品衛生法で1日あたりの摂取量などが定められています。
最近では法律が改められ「合成保存料」も含めて食品ラベル上は「保存料」という表示に変わっています。
「保存料は体に悪い」そんなイメージを持っている方は多いのではないでしょうか。
何となく体に悪いイメージの保存料ですが、具体的な体への影響が気になりますよね。
【知っておきたい 体に悪い保存料】
体に悪いとされている合成保存料は、
ソルビン酸K
安息香酸Na
パラベン
の3つです。
ソルビン酸K(カリウム)
ソルビン酸Kは、細菌やカビの発生・増殖を抑える働きがあるため、腐敗防止として、よく使用されている食品添加物の1つです。
菌はどこにでもいるため、その菌が食品について、増殖をすると、食中毒などの危険性があるため、コンビニやスーパーのお惣菜やお弁当などにも、このソルビン酸カリウムなどの防腐剤や保存料が、頻繁に使用されるようです。
主な使用食品
漬物、ジャム、佃煮、ハム、ソーセージ、ワインなど
ソルビン酸カリウムは、水に溶けやすく汁の多い食品に使われることが多いです。
ソルビン酸カリウムは、染色体の異常を引き起こすとされています。
さらに、腸内のソルビン酸カリウム濃度が高まるにつれて、善玉菌から順番に死滅していくことが他国の研究チームによって明らかになっています。
ソルビン酸カリウムの摂取によって腸内環境が変化してしまうことは私たちに良いこととは思えません。
ソルビン酸カリウムは、単体でも危険性があると言われていますが、他の食品添加物との組み合わせにより、発がん性が指摘されています。
特に、亜硝酸との組み合わせが危険視されており、ハムやソーセージ、明太子などの加工品には両方含まれていることがあるため、気を付けなくてはなりません。
このように、危険性があり、また、食品添加物同志の組み合わせも考慮しなくてはならないとなると、多くの食品に使われているソルビン酸カリウムは、避けた方が良い食品添加物と言えるかと思います。
安息香酸、安息香酸Na(ナトリウム)
安息香酸ナトリウムは、水に溶けやすく清涼飲料水や栄養分の高い健康ドリンク系の飲料水で使用されることが多く、誰もが知っている健康ドリンクにも使用されています。
安息香酸ナトリウムは最も危険な添加物として有名です。
安息香酸ナトリウムのみを大量に摂取することも、もちろん健康を害する要因になりえますが、その他にも、安息香酸ナトリウムと一緒に、ビタミンCなどの酸を摂取すると、猛毒のベンゼンが生成されることがあります。
ベンゼンは、発がん性があり、白血病を引き起こすリスクがある物質ですので、健康のために、安息香酸ナトリウムは避けなくてはならない添加物だと言えると思います。
主な使用食品
ダイエット飲料、炭酸飲料、エナジードリンク、しょうゆ、シロップ、マーガリン
2006年3月にイギリスで清涼飲料水に添加されていた安息香酸とビタミンCから発がん物質のベンゼンが発生していることが判明したため、自主回収された事件があります。
日本でも、平成18年に安息香酸とアスコルビン酸の両方が添加されていた31商品中1商品から、水道水におけるベンゼンの基準値である10ppbを超えた量が検出されたとの報告があります。
保存料として、多くの食品に使用されている安息香酸ナトリウムですが、その商品単体には、安息香酸ナトリウムのみしか入っていなくても、食べ合わせ、飲み合わせによって、酸も一緒に摂取してしまう危険性はおおいに考えられますので、十分注意をしていただきたいと思います。
パラオキシ安息香酸(パラベン)
パラオキシ安息香酸は、通称パラベンです。
パラベンと聞くと、イメージが沸く方は多いのではないでしょうか。
パラオキシ安息香酸(パラベン)といえば、化粧品に使用される防腐剤としても知られていますが、パラベンは接触性皮膚炎の1つの要因にもなり、パッチテスト可能な物質でもあります。
少量で強力な抗菌性があることが特徴で、パラベンは医薬品、そして食品にも使用されています。
主な使用食品
しょうゆ、シロップ、果実ソース
パラベンは保存料の総称で、日本で食品に使用される際は、保存料(パラオキシ安息香酸)と表記されることが多いのですが、パラオキシ安息香酸ブチル、パラオキシ安息香酸プロピル、パラオキシ安息香酸エチル、パラオキシ安息香酸メチル、パラオキシ安息香酸ベンジルの5品目が現在の日本で使用が認められています。
パラオキシ安息香酸(パラベン)は、FAO/WHOの合同食品添加物専門家会合(JECFA)によって、弱いながらも女性らしい体をつくるホルモンであるエストロゲンの作用があることが明らかになっています。
人体にエストロゲン作用がどのように関連するかは、はっきりしないとしていませんが、内分泌をかく乱させるため生殖機能への影響が懸念されています。
原材料一括表示上では、どのパラオキシ安息香酸エステルなのかを把握ができないのが 日本の現行ルールですが、パラオキシ安息香酸ブチル、パラオキシ安息香酸イソプロピル、パラオキシ安息香酸イソブチルは、EUでは使用許可をしていないものであり、アメリカでも食品添加物として使用されていません。
使用される商品数、使用量としては多くはなく、摂取量も限られるとはいえ、国内ではキャリーオーバー(注1)としてソース、漬物、惣菜等から検出された例があるとの示唆もあり、パラオキシ安息香酸が使用している商品か表示上わからないものもあります。
食品に関して言えば、パラオキシ安息香酸を使用している商品から察すると従来からの製造方法のまま使用されているケースが多いようにも感じられますが、日本の食品添加物のルールにおいても、海外基準に合わせたアップデートや、パラオキシ安息香酸エステルでないと成立しないのか、使用する必要がある場合においても、比較的安全性が許容されるものを使用するように変わっていくことも必要かもしれません。
(注1)キャリーオーバー
食品の原材料の製造・加工で使用されたもので、その食品の製造には使用されない食品添加物で、最終食品まで持ち越された場合に、最終食品中では微量となって、食品添加物そのものの効果を示さない場合をキャリーオーバーといいます。
保存料がもたらす体への悪影響
保存料は、腸内環境を変化させ、内分泌をかく乱させることがチェコ共和国の研究チームによって明らかになっています。
また、過去には他の食品添加物との併用によって有害物質が発生したために対象の商品が自主回収されたこともあります。
免疫システムの中枢とも言われる腸は、免疫の司令塔として非常に重要な役割を担っています。
腸内環境を変化させるだけでなく内分泌をかく乱させることが明らかになっている食品添加物は避けたいものです。
まとめ
販売されている一つ一つの商品は、食品衛生法に則って認められた食品添加物が使用されていますが、「国が認めたから安心」と過信し過ぎて過剰に毎日摂り続けた場合や、複数の添加物を組み合わせた場合の影響については未知な部分もあります。
後にその有害性が明らかになることさえあり、たとえ対象商品が自主回収されたとしても、その商品を口にしてしまっていたらどうすることもできません。
食品の保存性を高めて食中毒発生リスクを下げる保存料は、販売する側にとっては便利かつ安心な食品添加物ですが、消費者にとっては決して安心できるものではありません。
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