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2000/01/02

体に悪い酸化防止剤

食品の劣化を防ぎ、酸化の悪影響を最小限にする食品添加物の「酸化防止剤」。 
添加された物質が食品よりも先に酸素と結合して酸化するため、酸化防止剤としての役割を果たします。 
特に、空気に触れることで風味や品質を損ないやすい油脂類には酸化防止剤の存在は欠かせません。 
様々な食品に使用されている酸化防止剤の安全性が気になりますよね。 
食品添加物として認定されている酸化防止剤には、ビタミンCやビタミンE、カテキンなどがあります。これらは比較的安全性が 高いとされていますが、安全性に疑問があり体に悪いとされている物もあります。 
 
【知っておきたい 体に悪い酸化防 止剤】
 
体に悪い酸化防止剤は、 
ジブチルヒドロキシトルエン(BHT) 
ブチルヒドロキシアニソール(BHA) 
亜硫酸塩
 
の3つです。 
 
ブチルヒドロキシアニソール(BHA) 
主に油脂製造用の原料油の酸化防止のために使われており、輸入食品の油脂や魚介類の加工品などにも使用されていることがあ ります。このBHAについては、以前から発がん性が疑われてきました。 
 
世界中の油脂の中で最も大量に使われているのは、パーム油です。 
パーム油はその安さから、食用油のほかマーガリンやショートニング、石鹸の原料にも使われており、その製造時に酸化防止剤 としてBHAの使用が許可されています。 
 
主な使用食品は、油脂、バター、干物、魚介塩蔵品、乾燥の裏ごしいも、魚介冷凍品などです。 
日本におけるブチルヒドロキシアニソール(BHA)の使用基準は、以下の通り。 
対象食品 
魚介冷凍品(生食用冷凍鮮魚介類及び生食用冷凍かきを除く)及び、鯨冷凍品(生食用鯨冷凍品を除く)の浸漬液 - 浸漬液に 対して、1.0 (g/kg) 
油脂、バター、魚介乾製品、魚介塩蔵品、乾燥裏ごしいも - に対して、0.20 (g/kg) 
使用制限 
ジブチルヒドロキシトルエンと併用する場合は、その合計濃度が使用基準を超過してはならない。 
 
1954年に食品添加物に認可されたブチルヒドロキシアニソール(BHA)は、物質に染みわたりやすいため、ブチルヒドロキシト ルエン(BHT)と同等、またはそれ以上の酸化防止効果があるとされています。 
煮干しや油脂など、様々な食品の酸化防止剤として添加されているBHAは、女性ホルモン作用があることがイギリスで1995年に 行われた調査から明らかになっています。 
 
女性ホルモン作用のあるBHAは、内分泌かく乱物質であるため胎児への悪影響が懸念されています。 
 
さらに、1982年にラットの前胃に発がん性があることが報告されています。 
その報告を受けてFAO/WHO合同食品添加物専門家委員会(JECFA)が、BHAの安全性について再検討を行っています。  
結局、BHAのがん癌性はラットの前胃に限定的で人間には前胃がないため、安全と結論付けられ、現在多くの食品や医薬品など に使用されています。 
 
BHAの発がん性はJECFAによって否定されましたが、女性ホルモン作用があることは事実です。 
やはり摂取しないに越したことはありませんね。 
 
ジブチルヒドロキシトルエン(BHT) 
BHT(ブチルヒドロキシトルエン)は、油脂、バター、魚介乾製品、魚介冷凍品などに使用される酸化防止剤です。 
BHTはポリプロピレンなどのブラスチック製品(カップ麺のカップ等)、石油製品の安定剤としても広く使用されており、BHTが これらの製品から食品に移るという問題点も指摘されています。 
 
主な使用食品は、油脂、バター、干物、魚介冷凍品、板状のガムなどです。 
 
1956年に食品添加物に認可されたブチルヒドロキシトルエン(BHT)は、クエン酸及びアスコルビン酸といった、他の酸化防止 剤と併用されることが多くなっています。 
BHTは、脂溶性であるため、ビタミンCなどの水溶性酸化防止剤に比べて安定性が優れているのが特徴です。 
1974年に公開された論文によると、動物実験でBHA又はBHTを添加した飼料で妊娠マウスと生まれた子どものマウスを育て 、子供マウスの行動異常を調べた結果、BHTは子どものマウスに学習の無獲得、帰巣反応の低下、隔離による攻撃性の誘導な どを認めました。 
 
BHTに関しては合成保存料へ社会的関心が高まったため、広く研究が行われました。 
その結果、発ガン性は確認されていないものの、変異原性は認められました。さらに催奇形性を有する疑いも出てきたため、食 品に対するジブチルヒドロキシトルエンの使用は、問題ではないかという指摘が有ります。 
アメリカ合衆国では乳幼児用食品への使用が禁止されています。ジブチルヒドロキシトルエンの使用を、自主的に取りやめてい る食品会社も見られます。 
 
BHTには女性ホルモン作用はありませんが、BHAと同じように摂取は避けたい酸化防止剤です。 
 
亜硫酸Na(亜硫酸ナトリウム) 
亜硫酸ナトリウムは無機化合物で亜硫酸のナトリウム塩。多くの工業用途があり、褐色化防止、防腐剤として食品や化粧品に使 われています。 
副作用に皮膚炎や蕁麻疹、アレルギーがあり、喘息における気管支収縮の誘発や皮膚症状の報告が多い防腐剤です。 
 
主な使用食品は、ドライフルーツ、かんぴょう、エビなどです。 
 
亜硫酸Na(亜硫酸ナトリウム)は、他の成分よりも先に酸素と結合します。 
酸素と結合しやすい亜硫酸Naの特徴を利用して、食品の酸化防止と漂白の目的で添加されています。 
ワインでは醗酵させる過程で、醗酵しすぎるのを防いだり、雑菌を消毒するために使用され、ドライフルーツでは、見た目を美 しくするための漂白剤として使用されています。 
それ以外にも、かんぴょう、甘納豆、煮豆、豆腐、ゼラチン、コンビニ弁当、カレーやラーメン等のレトルト食品、その他、海 老やカニにも、黒ずみを抑えるために使用されることがあるようです。 
 
亜硫酸Naは、人間が4gを口にすると中毒症状が現れます。 
うさぎの飼料に亜硫酸Naを与えた実験では、胃に出血がみられたというデータがあります。 
 
一度に大量摂取することはありませんが、このような研究データがあるため安心はできませんね。 
 
酸化防止剤の危険性と体への影響 
BHAやBHTの酸化防止剤の危険性は、女性ホルモン作用を持つため内分泌を攪乱させる可能性があることです。 
健康な大人に限らず妊娠中の方や、子どもがビタミン剤を補助的に飲むことがありますが、ビタミン剤には酸化防止目的でBHA やBHTが添加されている場合があります。 
BHAは、妊娠中の女性が摂取することによって胎児に悪影響が出る可能性が指摘されています。 
その危険性から、薬害防止を目的とするNGO団体によって厚生労働省や製薬協会に対してBHAとBHTの添加量の基準値を策定する 要望書が提出されています。 
 
危険性が不安な酸化防止剤がある一方、安全性が確立されている酸化防止剤もあります。 
安全な酸化防止剤の例として、ビタミンCが有名です。 
 
まとめ 
食品の劣化を防いでくれる酸化防止剤の中には、安全性に欠けるものがあります。 
特にブチルヒドロキシアニソール(BHA)は、内分泌を攪乱させる作用があるため妊娠中の方や子どもには避けたい酸化防止剤 です。 
 
干物や乾物、サプリメントに含まれる添加物の酸化防止剤の安全性をいま一度考えなおしてみてください。 
 
酸化防止剤のビタミンC 
たとえば、切ったりんごをレモン水につけると変色しないのは有名ですね。 
それは、レモンに含まれるビタミンCが変色を防いでいるからです。 
このように、料理工程にも酸化防止剤としてのレモン(ビタミンC)が使われています。 
 
変色を防ぐために使用されるレモンは、酸化防止目的となり、食品表示としては酸化防止剤のビタミンCとなります。 
酸化防止剤のビタミンCは、風味や味の劣化を遅らせ、一つの商品として安定した味を提供するためには必要不可欠で、安全性 は高いとされているので必要以上に避けなくて良いものです。 
 
添加物のビタミンCの安全性 
ジュースやお茶に含まれる酸化防止剤として添加されるビタミンCは、安全性が高いとされています。 
水溶性であるビタミンCは、体内で蓄積されずに余った分は尿中に排出されます。 
 
一方で、酸化防止剤の原料となるものは、ほとんどが遺伝子組み換えされたじゃがいもやとうもろこしが原料であることは覚え ておきたいですね。 
遺伝子組み換え食品は安全性が高いと認められていますが、一部消費者からは子や孫世代に及ぼす影響や生態系へ及ぼす影響が 懸念されていることも事実です。 
 
添加物として使用されるビタミンC量は少ないですが、気になる方は酸化防止剤不使用のものを選んでも良いですね。 
 
 

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