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2000/01/02

アスパルテーム、アセスルファムK、 スクラロース、ネオテーム、サッカリン、について

 
アスパルテーム
 
アスパルテームとは、現在でも安全性・危険性に関して最も論争がある人工甘味料の一つです。 
 
1g当たり4kcalのカロリー(砂糖と同じ)で、砂糖の180〜220倍の甘味があるため、砂糖よりも使用量を減らしてカロリーを抑えることができる人工甘味料です。 
 
米国サール薬品が胃薬(ガストリン)の研究中に強い甘みを持つ成分を偶然発見。その後、日本の味の素株式会社が大量生産技術を開発(商品名:パルスイート)。 
 
1974年米国FDA(食品医薬品局)が乾燥製品として、1996年全ての加工食品への使用を認可しました。日本では、1983年に認可された添加物です。 
 
アスパルテームの安全性を巡る疑惑の原因は、その構造にあります。
 
アスパルテームは天然には存在しない化合物で、アミノ酸の1種であるフェニルアラニンとアスパラギン酸、そして劇物に指定されているメタノール(メチルアルコール)から作られます。 
 
経口摂取されると小腸でフェニルアラニン(50%)とアスパラギン酸(40%)と有毒なメタノール(10%)に分解(消化)・吸収されます。 
 
その後、通常のアミノ酸と同じ様にタンパク質に合成されたり、脱アミノ化された後にエネルギー源として分解されたりします。 
 
アスパルテームは、そのそれぞれの成分が健康被害をもたらすと考えられています。
 
アスパルテームそのそれぞれの成分の安全性への危惧
 
フェニルアラニン
 
フェニルアラニンは神経伝達物質の一つで、幸福感や興奮状態を引き起こすドーパミンやノルアドレナリンの元となるアミノ酸です。 
 
フェニルアラニン単体で摂取すると脳細胞を過剰に刺激し、時に死に至るほどの興奮性毒となり強制的に「ハイ」になってしまうわけです。 
 
さらにその影響からか症状として脳障害や頭痛、躁鬱(そううつ)、不眠症、知能低下など脳への影響が懸念され、間接的に皮膚や血液のガンなどが増えるという研究結果もあります。 
 
フェニルアラニンの代謝ができない「フェニルケトン尿症」の人が摂取すると脳に障害が起きる可能性があります。 
そのため、注意喚起として「アスパルテーム・L-フェニルアラニン化合物」という表示がされています。 
 
アスパラギン酸
 
アスパラギン酸は非必須アミノ酸の一つです。「興奮性神経伝達性物質」とよばれ、神経から神経への情報の伝達の介在をします。 
しかし、過量だと「興奮毒」として神経細胞に障害を与えてしまいます。 
 
アスパルテームの分子特性上、メタノールとアスパラギン酸がそれぞれ単独で存在しているより500〜5000倍も毒性作用を高めてしまうという説もあります。 
 
メタノール(メチルアルコール)
 
メタノールは猛毒です。飲むと失明、最悪の場合は死に至ります。 
 
私は中学校時代に、メタノールは「目散るアルコール」と呼ばれ、「絶対に飲んではいけない」と理科の先生から教えられました。 
 
自然界にも微量存在していますが、アスパルテームに含まれるメチルアルコールの量は、自然界に存在する量よりも少なく、人体への害は報告されていません。 
 
しかし、イタリアの財団(Euoroean Foundation of Oncology and Environmental Sciences)が2005年と2006年に行った動物実験では、アスパルテームによって白血病やリンパ腫の発生が認められたという結果があります。 
 
メタノールはアルコール脱水素酵素によってホルムアルデヒドになり、次いで アルデヒド脱水素酵素によって蟻酸(ギ酸)に、最終的には二酸化炭素と水に代謝(解毒)され体外に排出されます。 
 
代謝中間体のホルムアルデヒドと蟻酸に毒性があります。 
 
メタノールは飲んだ当日は普通のお酒を飲んだと同じような状態で、早ければ翌日位から蟻酸による症状が出てきます。 
 
ホルムアルデヒドは刺激臭のある無色で可燃性がある気体です。ヒトの粘膜を刺激するため、目がチカチカする、涙が出る、鼻水が出る、のどの渇き・痛みやせきなど、シックハウス症候群の代表的な原因物質です。 
 
水に溶けやすく37%以上の水溶液はホルマリンと呼ばれ、生物標本の製造に用いるほか、消毒・防腐剤、写真フィルムや乾板製造などに広く用いられています。 
 
しかし、体内ではホルムアルデヒドで存在する時間は短く、すぐにアルデヒド脱水素酵素により蟻酸に代謝されます。 
 
蟻酸がメタノール毒性の原因物質です。 
 
視神経に直接働いて脱髄(だつずい)を起こしたり、ミトコンドリアの電子伝達系に関わるシトクロムオキシダーゼを阻害したりするために、視神経毒性が現れるといわれています。 
 
なぜ目だけに症状が強く現れるかというと、網膜にはビタミンA(レチノール)をレチナールに酸化するためのアルコール脱水素酵素が豊富に存在しており、メタノールを飲んだ場合には網膜でホルムアルデヒド、蟻酸が大量につくられるためです。 
 
アセスルファムK(カリウム)
 
アセスルファムK(カリウム)とは、西ドイツで開発された合成甘味料で砂糖の200倍の甘味があります。 
アセスルファムKのほとんどは、体内で分解されず尿や便として体外へ排出されます。そのため、カロリーを抑えることを目的としたダイエット甘味料に多く使用されています。 
 
アセスルファムKは天然甘味料や人工甘味料とは異なり化学物質の掛け合わせで作られており、単体で使用するとわずかに苦みを感じるため、他の甘味料と併用することで後味をよくすることができます。 
 
特にアスパルテームと相性が良く併用すると砂糖に近い味になります。またスクラロースと併用することで甘さの調整をする場合もあります。 
 
アセスルファムKは匂いの無い白色の粉末で水によく溶けるため飲料水にもよく使われています。 
加熱しても成分が失われにくいためあんこや生菓子、アイスクリーム、ガム、ジャム、タレ、漬物、リキュール、乳飲料、乳酸菌飲料などさまざまな食品に使用されています。 
 
日本では、2000年に認可された比較的新しい添加物です。 
ただし食品によっては厚生労働省により使用基準が定められています。 
 

• 砂糖の代わりに使用する場合・・・食品1キロ当り15g(1.5%)以下
 
• 栄養機能食品(タブレットに限る)・・・食品1キロ当り6.0g(0.6%)以下
 
• チューインガム・・・食品1キロ当り5.0g(0.5%)以下
 
• 生菓子、菓子及びあん類・・・食品1キロ当り2.5g(0.25%)以下
 
• ジャム類、漬物、氷菓、アイスクリーム類、たれ及びフラワーペースト・・・食品1キロ当り1.0g(0.1%)以下
 
• 果実酒、雑酒、清涼飲料水、乳飲料、乳酸菌飲料及び、はっ酵乳(希釈して飲料に供する飲料水にあっては希釈後の飲料水)・・・食品1キロ当り0.50g(0.05%)以下
 
• その他の食品・・・食品1キロ当り0.35g(0.035%)以下
   
使用基準が設けられているということは継続的に摂取することで何らかの危険性が増すということでしょう。 
 
アセスルファムK(カリウム)はジケテン(刺激性のある有毒な物質)という食酢(ビネガー)に含まれるの物質と酸性洗浄剤などに利用されるスルファミン酸(アミド硫酸)を反応させ、さらに無水硫酸を加えるなどの化学合成により製造されます。 
 
アメリカの国立糖尿病・消化器・腎疾病研究所(NIDDK)の研究チームは、妊娠及び授乳中の母マウスに人工甘味料(スクラロースとアセスルファムK)を摂取させた実験で、子マウスの代謝に悪影響を及ぼし、さらに腸内細菌の状態にも変化をもたらしたと発表しました。 
 
アセスルファムK単体での使用については突然変異・発がん性は認められていません。 
しかしアセスルファムKは他の甘味料と併用されることが多いので他の人工甘味料と併用した場合の安全性は未知数です。 
 
化学物質で作られた物質同士を併用した場合の研究結果はありませんので危険性はぬぐい切れません。 
 
なお過去に発がん性が問題になり禁止された人口甘味料にズルチン、サイクラミン酸ナトリウム(チクロ)があります。 
 
スクラロース
 
スクラロースは、砂糖の600倍の甘味があります。 
まろやかな甘さが特徴で、他の甘味料と併用することで甘味の相乗効果があります。 
 
そのため、他の人工甘味料と併用して使用されることが多いです。 
 
この人工甘味料は急成長中で、現在日本ではコーラなどの清涼飲料水、アイスクリーム、ガム、デザート、ドレッシングなど1万1000品目を超える飲食物や医薬品・健康食品などに使用されています。 
また、甘さを付与する以外にお酢の刺激的な酸味・酸臭を和らげる、塩のシャープな味を和らげる、豆乳などの豆臭の緩和、エタノールの刺激を緩和する作用などもあります。 
微量添加することにより辛み・乳感・ボディ感(コク・深み)の増強効果もあります。 
 
日本では、1999年に認可された比較的新しい添加物です。 
 
スクラロースは消化管から消化・吸収されないとされていますが、尿中に10〜30%は排泄されているそうです。 
尿中に排泄されるということは、間違いなく消化・吸収されていると考えるのが普通です。ただし、その消化・吸収の機序は今のところ不明。 
 
また、スクラロースの代謝産物は脂肪組織に蓄積されると言う報告もあります。スクラロースはカロリーゼロではあるが、過食を生じ肥満を引き起こす傾向があるみたいです。 
 
日本食品化学研究振興財団の研究によると、妊娠したウサギにスクラロースを与えると、胃腸障害と死産、流産が一部で観察されました。 
 
スクラロースは、はショ糖に有毒の塩素を反応させた「有機塩素化合物」です。 
有機塩化化合物は、自然界にほとんど存在しないため毒性が強く、注意が必要です。 
 
スクラロースは、農薬(殺虫剤)を開発するための実験から偶然発見された甘味を有する物質を基に製品化されたとも言われています。 
 
スクラロースには1分子当たり有毒な塩素が3つ、重量比ではスクラロース100g中に塩素26.7gが含まれています。さらに、それが炭素原子にくっついています。 
これを化学的にはオルガノクロライドといい、ダイオキシン、DDTなどの農薬やPCBに近いものとなります。 
 
食品の中でオルガノクロライドが含まれているもので、摂取許可が下りたのはスクラロースが最初で、今のところ只一つです。 
 
有機塩素化合物のスクラロースは138℃を超えて加熱すると有毒な塩素ガス(HCl)を発生するとされています。このことは発売当初より危惧されていました。 
 
ネオテーム
 
ネオテームは、アスパルテームを変化させたもので砂糖の7000〜13000倍の甘味があります。 
 
オテームは、アメリカの企業によって研究開発され、近年になって使用されるようになった高甘味度甘味料です。ネオテームの甘味度は、砂糖の約1万倍、同じ人工甘味料のアスパルテームの約50倍とも言われています。 
 
ネオテームのネオは新しいという意味で、ネオテームのテームはアスパルテームのテームです。つまりアスパルテームの改良品ということになります。 
 
アスパルテームは熱に弱く水によく溶けるのに対し、ネオテームは熱に強く水には溶けにくい特徴を持っています。ただしアルコールにはよく溶けます。 
 
日本では、2007年に食品添加物の認可を受けており、今後使用される可能性が高い甘味料の一つでもあります。 
 
ネオテームは、アスパルテームと異なり、フェニルアラニンを含む旨の「L-フェニルアラニン化合物」の表示義務がありません。 
 
ネオテームがすべて「 L-フェニルアラニン」に変換されて摂取される可能性は小さいことが表示免除の理由ですが、 フェニルアラニンの代謝ができないフェニルケトン尿症の人の摂取は注意が必要です。 
 
ネオテームの危険性としては、動物実験の結果、摂取することで、体重減少や体内で発がん性物質を生成する可能性があるということが挙げられます。 
 
ネオテームは、使用量は少量でも非常に強い甘味を出すことができるため、カロリーゼロや低カロリーの商品として販売されることも少なくありませんが、実際のところ、砂糖によるカロリー摂取がほとんどないとしても、ネオテームを構成する成分上、それを摂取することでダイエットに繋がるかどうかは疑問が残りますし、肥満や糖尿病にならないとは限らないとも言われています。 
 
消費者として安全性についてもちょっと気になる物質です。 
 
サッカリン
 
サッカリンは、砂糖の350倍(200〜700倍)の甘味があります。 
 
ドイツの化学者が米国ジョンズ・ホプキンス大学で、コール・タールからの抽出されたオルトトルエンスルホン酸の酸化の実験中にできた物質が手に付いたのに気が付かず食事をしたところ、異常に甘かったことから発見しました。 
その後しばらくしてドイツで商用化され、20世紀になると米国に伝わり、戦後、砂糖が不足すると急速に普及しました。 
 
サッカリンは高濃度では苦味を感じるため、糖類系の甘味料に混合されて使用されることが多いようです。カロリーがない(ゼロカロリー)ため減量用の甘味量として注目され、炭酸入りのゼロカロリーダイエット飲料(ダイエットコーラなど)として多くの飲食物に使用されています。 
 
しかし、サッカリンはラットを用いた動物実験により「膀胱がんのリスクが高くなる」という研究が発表され、一度は一般食品への使用が禁止されました。 
 
その後、FAOとWHOの専門家会議(JEFCA)がサッカリンが引き起こす発がん性の検討を行い、現在の使用量で人工甘味料として使用することが認められました。 
 
日本では、食品衛生法の規制が続いていて、使用が制限されている物質です。 
 
サッカリンにまつわる「発がん性物質」の悪い印象が拭えないことと、アスパルテーム、スクラロース、アセスルファムKなどの別のノンカロリー・ローカロリー甘味料が台頭したことなどにより、日本ではサッカリンを用いた食料品は品名・量ともに諸外国と比較して少なめです。 
 
現在の日本では、ガムや漬物、一部の水産練り製品、歯磨き粉に使用されています。 
 
ちなみに、サッカリンは厚生労働省によると、許容一日摂取量は体重1キログラムあたり5ミリグラムまでとされており、安全性に問題がないということが確認されているようです。 
 
サッカリンは過剰に摂取すると、血糖値が高くなる恐れがあったり、胃腸に負担をかけたりすることがあるようです。 
「サッカリン摂取で肥満になる」という報告もあります。 
 

 
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