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2000/01/02

食品添加物削減の取組み

夕食お弁当宅配サービス 食品添加物削減のとりくみ
 

「食品添加物」ってなに?

 
「食品添加物」は、食品の製造・加工・保存を目的として食品に加えられる物質です。簡単便利な加工食品が増える中、食品添加物は私たちの食生活にとても身近なものになっています。豆腐をつくるための「にがり」など、食品添加物の中には「どうしても使わなければその製品ができない」というものもあります。
しかし一方で、色や香りをつけるためのものなど、必要性に疑問のある食品添加物も少なくありません。添加物すべてが悪いわけではありませんが、少ないコストでつくるためや流通しやすいように日持ちをよくするためなど、企業の都合・もうけ優先で使われていることが問題です。
 

 

 
 
どれくらい「食品添加物」を食べているんだろう?

  
現在、日本で使用が認められているのは、指定添加物438品目、既存添加物365品目、天然香料約600品目と、合計で約1400品目あります(2013年12月現在)。お菓子やドリンク、ウインナーなど、子どもが好きなものにも添加物は使われています。それらのパッケージの表示を見てみると、さまざまな用途・種類の添加物が使われていることがわかります。ふつうの食事をしていても一人で一日に約80種類、10〜15gもの添加物を摂っているといわれます。
 

「食品添加物」についての考え方 

 
現在では国としてのリスク評価の体制が整備され、標準化されたプロセスに沿ってリスク評価が行われるようになっています。国でリスク評価が行われ、認可された食品添加物については、基本的な安全性は確保されていると考えられます。
一方で、国としてのリスク評価の仕組みが構築される以前から使用されていた食品添加物の一部に、安全性を担保するデータの公表が十分でないものもあります。
それらの食品添加物に対し自主基準を持って運用することで、食の安全・安心づくりに役立てたいと考えています。
 
県民生協の夕食お弁当宅配サービスでは、以下の基本的な考え方に沿って、お弁当で摂取する食品添加物の種類と量を減らしていくことをめざし、コープ東北サンネット事業連合の食品添加物自主基準に従い、お弁当の製造を行っています。
 
【 食品添加物削減に対しての基本的な考え方 】


 1. 不必要な添加物は使わない。
 2. 使う場合は最低限の量に限る。
 3. 安全性に問題がある添加物は使わない。

 
 青森県民生協「夕食お弁当宅配サービス」の食品添加物自主基準

【 不使用添加物 10品目 】
 不使用添加物とは、遺伝毒性発がん物質及び日本生協連の食品添加物リスク評価において安全性を量的に判断できる科学的根拠が確認できないもの物など、安全を見込むことができない食品添加物です。法的には認められていても、青森県民生協の「夕食お弁当宅配サービス」では、お弁当の製造での不使用添加物(10品目)は一切使用を認めないものとします。
 
不使用添加物 10品目リスト

No  名  称  主な用途
1  臭素酸カリウム  製造用剤
2  食用赤色104号  着色料
3  食用赤色105号  着色料
4  デヒドロ酢酸ナトリウム  保存料
5  パラオキシ安息香酸イソブチル  保存料
6  パラオキシ安息香酸イソプロピル  保存料
7  パラオキシ安息香酸ブチル  保存料
8  パラオキシ安息香酸プロピル  保存料
9  グレープフルーツ種子抽出物  製造用剤
10  単糖・アミノ酸複合物  酸化防止剤
 
 
【 使用制限添加物 42品目 】
 使用制限添加物とは、制限する内容を品目別に確認して、青森県民生協「夕食お弁当宅配サービス」のお弁当に使用できる食品添加物です。
 具体的には、安全性を量的に判断できる科学的根拠はあるが、「不純物や代謝物に安全上の問題があるもの」「純度など成分規格に不十分な点があるもの」「国が評価していない新しいリスク要因が懸念されるもの」のうち、使用制限することが可能で、それによりリスク低減を図ることができる添加物です。
 
 青森県民生協の「夕食お弁当宅配サービス」では、使用制限添加物(42品目)は原則として使用しませんが使用に際しては、成分規格・使用基準等、使用上の適格性等に細心の注意を払い、対象食品の限定等も併せて、必要最少量の使用に努めます。
 
 青森県民生協の「夕食お弁当宅配サービス」では、お弁当で使用する社外製造の使用制限添加物が含まれる食材は極力取り扱わないこととします。一般メーカー品についても、生協の食品添加物基準をクリアした食品だけを取り扱います。
 
使用制限添加物 42品目リスト

No   名  称  主な用途
1   安息香酸  保存料
2   安息香酸ナトリウム  保存料
3   イマザリル  防かび剤
4   エチレンジアミン四酢酸二ナトリウム  酸化防止剤
5   オルトフェニルフェノール及びオルトフェニルフェノールナトリウム  防かび剤
6   過酸化ベンゾイル  製造用剤
7   カンタキサンチン  着色料
8   食用赤色40号及びそのアルミニウムレーキ  着色料
9   食用赤色106号  着色料
10   食用黄色4号及びそのアルミニウムレーキ  着色料
11   食用黄色5号及びそのアルミニウムレーキ  着色料
12   食用青色2号及びそのアルミニウムレーキ  着色料
13   チアベンダゾール  防かび剤
14   二酸化チタン  着色料
15   ポリソルベート20  乳化剤
16   ポリソルベート60  乳化剤
17   ポリソルベート65  乳化剤
18   ポリソルベート80  乳化剤
19   ウェランガム  増粘安定剤
20   アルミニウム  着色料
21   エレミ樹脂  増粘安定剤
22   カラギナン  増粘安定剤
23   カンゾウ抽出物  甘味料
24   カンゾウ末  甘味料
25   グアヤク脂  酸化防止剤
26   α-グルコシルトランスフェラーゼ処理ステビア  甘味料
27   酵素分解カンゾウ  甘味料
28   酵素分解リンゴ抽出物  酸化防止剤
29   サイリウムシードガム  増粘安定剤
30   植物炭末色素  着色料
31   ステビア抽出物  甘味料
32   ステビア末  甘味料
33   ツヤプリシン(抽出物)  保存料
34   ファーセレラン  増粘安定剤
35   ブドウ種子抽出物  酸化防止剤
36   ブラジルカンゾウ抽出物  甘味料
37   ペクチン分解物  保存料
38   ε-ポリリシン  保存料
39   マスチック  ガムベース
40   ラック色素   着色料
41   L-ラムノース  甘味料
42   ログウッド色素  着色料
 

< 資 料 >
不使用添加物10品目の内容
★不使用添加物 2013年1月時点の日本生協連の評価
 
【 臭素酸カリウム 】
臭素酸カリウムは、使用規制が定められており、「対象食品:パン(小麦粉を原料として使用するものに限る。)
・使用量:臭素酸として、小麦粉1kgにつき0.030g以下
・使用制限:最終食品の完成前に分解又は除去すること。
・分析法:改良ポストカラムHPLC法」です。
国内では、一部のパン製品に臭素酸カリウムを使用したものがあります。
 
★ 上記の現行規制により臭素酸カリウムは最終食品には含まれていないため、食品添加物として表示する義務はありませんが、動物実験によりラットをはじめとするげっ歯類に腎臓細胞腫などのがんを誘発する遺伝子障害性発がん物質であり、生協では食品には意図的に使用すべきでないとしています。
 
(臭素酸カリウムの諸外国における規制の状況)

米国においては、臭素酸カリウムは、195年の食品添加物改正法制定以前から、パン生地調整剤及び小麦粉改良剤として使用が認められている既認可物質です。現在は、米国食品医薬品庁(FDA)が小麦粉の全粒粉に75ppm未満、漂白粉に50ppm未満の使用を認めています。
 
英国では、1990年、臭素酸カリウムが最終食品に残留しないという確証が得られないとして、パン製造時における使用が全面的に禁止されています。
 
EUでは1994年に「特定危険物質の販売・使用制限に関する理事会指令」の別表の発がん性物質のリストに臭素酸カリウムが掲載されました。そしてEU加盟国のほとんどは1997年までに使用を禁止しています。
 
南米ではメルコスール(南米南部共同市場)が1993年に統一添加物リストから臭素酸カリウムを削除し、加盟国は2003年までに国内での使用を禁止しています。
 
中国では「食品添加物使用衛生基準」で小麦粉焙焼物中の臭素酸カリウムの残留基準値は30 ppmと規定されていましたが、2005年7月1日から小麦粉処理剤として小麦粉に使用することを禁止しています。
 
【 赤色104号 】
赤色104号はソーセージ、和菓子、焼き菓子やかまぼこなどに使用されている、着色料の一つです。特徴的な性質として、熱に強いことが挙げられます。そのため、焼き菓子や発酵食品によく使用されます。別名、フロキシン、食用赤色104号ともいい、タール色素の一つです。タール色素は、石油から作られている色素のことをいいます。
 
使用制限が定められており、「カステラ、きなこ、魚肉漬物、鯨肉漬物、こんぶ類、しょうゆ、食肉、食肉漬物、スポンジケーキ、鮮魚介類(鯨肉を含む)、茶、のり類、マーマレード、豆類、みそ、めん類(ワンタンを含む)、野菜およびわかめ類には使用してはならない」です。
 
人体への影響は、海外で動物実験により発がん性や遺伝子損傷を起こす可能性が確認されています。そのため、海外では使用が認められていない国があります。しかし、日本では安全性が確認されているとして使用されています。
ちなみに人間の致死量は、約200〜300gです。海外では、遺伝子に悪影響を及ぼすとして、使用が禁止されている国があるのにも関わらず、日本では使用されているなんて恐い話ですね。
 
★ Ames試験では陰性を示したが、その他の遺伝毒性試験で陽性が報告されています。肝臓のアデノーマの増加、雌マウスの下垂体の発がん性、催奇形性などが報告されています。これらのエンドポイントについて、NOAELを判断するための十分なデータが存在するとは言えません。生協では現時点で、ADIを検討できるだけの十分なデータは得られていないと判断しました。
 
【 赤色105号 】
赤色105号は、和菓子、焼き菓子、ソーセージやかまぼこに使用される着色料の一つです。特徴的な性質として、熱に強いことが挙げられます。そのため、焼き菓子や発酵食品によく使用されます。別名、ローズベンガル、食用赤色105号といい、タール色素の一つです。
 
使用制限が定められており、「カステラ、きなこ、魚肉漬物、鯨肉漬物、こんぶ類、しょうゆ、食肉、食肉漬物、スポンジケーキ、鮮魚介類(鯨肉を含む)、茶、のり類、マーマレード、豆類、みそ、めん類(ワンタンを含む)、野菜およびわかめ類には使用してはならない」です。
 
人体への影響は、海外で動物実験により遺伝子損傷を起こす可能性が確認されています。そのため、海外では使用が認められていない国があります。日本では安全性が確認されているとして使用されています。
しかし、動物実験により肝臓や甲状腺異常を起こす可能性が確認されました。ちなみに、人間に対する致死量は、約500gです。
 
★ 赤色105号は、光存在下で遺伝毒性が陽性を示すこと、マウスに対する甲状腺腫が誘発されることなどが示されています。安全性評価に使用できる報告は限られており、不十分であることから、生協では現時点で、ADI を検討できるだけの十分なデータは得られていないと判断しました。
 
【 デヒドロ酢酸ナトリウム 】
デヒドロ酢酸ナトリウムは、クロコウジカビや黄色ブドウ球菌など様々な種類の細菌に対して抗菌活性を示します。また、シャンプーやリンス―など化粧品類に防腐剤として添加されています。
化粧品以外にもバターやチーズ、マーガリンなどの発酵食品などの保存性を向上させる添加剤として幅広く利用されています。
 
なお、デヒドロ酢酸やデヒドロ酢酸ナトリウムの化粧品への添加は100gに対し0.5gまでと定められています。
 
★ 主要な毒性試験は1950〜1960 年代に実施されたものであり、現在の科学水準での評価に耐えられるような毒性試験データが完備されているとは言い難い。国際的な安全性評価もされておらず、ADI も設定されていない。
体内では速やかに吸収され、タンパク質との結合性や反応性が高いため排泄は遅い。これが原因かもしれないが、他の保存料に比べて急性毒性と慢性毒性が著しく高い。毒性強度の指標の一つである薬物代謝酵素誘導作用が認められている。
 
【 パラオキシ安息香酸イソブチル 】
パラオキシ安息香酸イソブチルは、清涼飲料水、しょうゆや果実に使用されます。カビや細菌の繁殖を抑制し、食品の品質を維持します。
パラオキシ安息香酸イソブチルは、ソルビン酸カリウムとは違い、酸性でもアルカリ性でもその効果を発揮します。別名は、パラオキシ安息香酸、イソブチルパラベンといいます。
 
使用限度が定められており、食品1kgに対して0.0012〜0.25g(パラオキシ安息香酸として)です。
人体への影響は、アレルギーや発がん性の可能性があるともいわれていますが、はっきりとした根拠がありません。動物実験では、結果が確認されていないからです。
 
★ JECFAおよびEFSAではパラオキシ安息香酸メチル(日本では未指定)とパラオキシ安息香酸エチルにグループADI(10 mg/kg 体重/日)を設定しており、これらの評価は妥当と判断しました。
以前はグループADIにパラオキシ安息香酸プロピルも含まれていましたが、10mg/kg体重/日の投与量で雄ラット生殖器への影響が見られたとの報告があったことからADIは取り消されました。
生協では現時点で、パラオキシ安息香酸プロピルおよびそれ以上の側鎖の長い品目について、ADIを検討できるだけの十分なデータは得られていないと判断しました。
 
【 パラオキシ安息香酸イソプロピル 】
パラオキシ安息香酸イソプロピルは、清涼飲料水、しょうゆや果実に使用されます。カビや細菌の繁殖を抑制し、食品の品質を維持します。
パラオキシ安息香酸イソプロピルは、パラオキシ安息香酸イソブチルと同様に、酸性にもアルカリ性にもその効果を発揮します。別名は、パラオキシ安息香酸、イソプロピルパラベンといいます。
人体への影響は、確認されていませんが、人間に対する致死量は、約200〜300gです。また、マウスを使用した実験では、体重1kgあたり2.5gでマウスの2分の1が死亡しました。
 
★ パラオキシ安息香酸イソブチルの項を参照。
 
【 パラオキシ安息香酸ブチル 】
パラオキシ安息香酸ブチルは、清涼飲料水、しょうゆや果実に使用されます。食品のほかには、シャンプー、化粧品やハミガキ粉にも使用されています。カビや細菌の繁殖を抑制し、食品の品質を維持します。 
パラオキシ安息香酸ブチルは、ソルビン酸カリウムとは違い、酸性でもアルカリ性でもその効果を発揮します。
パラオキシ安息香酸ブチルは、抗菌力が比較的高く、パラオキシ安息香酸エステル類の中で一番多く使用されています。別名は、パラオキシ安息香酸、エチルパラベンといいます。
 
使用限度が定められており、食品1kgに対して0.0012〜0.25g(パラオキシ安息香酸として)です。
人体への影響は、発がん性の可能性があるという意見がありますが、はっきりとした根拠がありません。人によっては、アレルギー性の湿疹や直接触れると、皮膚炎になる可能性があるという意見もあります。
しかしパラオキシ安息香酸ブチルは、多くの食品に使用されており、このような意見もありますので、注意しておきたい食品添加物の一つです。
 
★ パラオキシ安息香酸イソブチルの項を参照。
 
【 パラオキシ安息香酸プロピル 】
パラオキシ安息香酸プロピルは、清涼飲料水、しょうゆや果実に使用されます。食品のほかには、シャンプー、化粧品やハミガキ粉にも使用されています。カビや細菌の繁殖を抑制し、食品の品質を維持します。しかし細菌に対しては、その能力は低いです。
パラオキシ安息香酸プロピルは、ソルビン酸カリウムとは違い、酸性でもアルカリ性でもその効果を発揮します。別名は、パラオキシ安息香酸やプロピルパラベンといいます。
 
使用限度が定められており、食品1kgに対して0.0012〜0.25g(パラオキシ安息香酸として)です。
犬を使った動物実験では、体重1kgに対して6g摂取させると、犬の2分の1が死亡するというデータがあります。
人によっては、アレルギー性の湿疹や直接触れると、皮膚炎になる可能性があるという意見もあります。人体への影響が、未だにはっきりしていない、食品添加物の一つです。
 
★ パラオキシ安息香酸イソブチルの項を参照。
 
【 グレープフルーツ種子抽出物 】
★ 日持向上剤として用いられることがあり、抗菌作用を持つと言われることもありますが、そのような科学的証拠は得られていないという報告があります。
国内、海外で、製品に合成殺菌剤が含まれているとの報告があります。
以上にも関わらず成分規格が定められていません。
 
【 単糖・アミノ酸複合物 】
単糖・アミノ酸複合物は「アミノ酸と単糖類の混合液を、常圧下で加熱して得られたものである」とされています。
 
アミノ酸は、調理法や加工方法によって発がん性物質が発生してしまうこともあります。アミノ酸と糖類を加熱すると「アミノ・カルボニル反応」が起き、別の物質に変化します。この反応によって、食品の味や香り、色などが得られる、食品を加工する上で大切な化学反応です。
しかし近年このアミノ・カルボニル反応によって発がん性物質「アクリルアミド」が生成されることがわかりました。アミノ酸の一種の「アスパラギン」とブドウ糖などの「還元糖」を高温(120℃)以上で調理すると、アミノ・カルボニル反応が起き、「アクリルアミド」という発がん性物質が生成されてしまうのです。
とくにアクリルアミドが多く含まれている食品は、・ポテトチップス・フライドポテト・ビスケットなどの焼き菓子です。これらの食品でも、製造方法や原材料の成分によって、アクリルアミド濃度は異なります。世界中の食品企業はアクリルアミドをできるだけ減らせるよう日々研究を続けています。
 
★ アミノ酸と単糖との加熱反応生成物にはin vitro遺伝毒性試験で陽性を示すものが多い。このような加熱生成物のうちにはマウスの骨髄小核試験が陰性となる例も知られているが、すべてがそうである保証はない。そして、「単糖・アミノ酸複合物」の一つであるアクリルアミドは明らかな発がん物質です。すなわち、本品目は、これらの有害な加熱生成物を区別せずに定義されている添加物であります。
厚労省は基原が単糖とアミノ酸であることから安全性の検討は必要ないとしたが、その後に、加熱食品中からアクリルアミドが発見されています。したがって本品目の安全性を担保するには成分規格の設定が必要です。
 
 
 
用語
 
Ames試験(細菌を用いる復帰突然変異試験)
Ames試験では突然変異を引き起こす物質(変異原物質)が細胞内の遺伝子に作用すると、アミノ酸要求性の細菌株がアミノ酸非要求性の細菌株に変異(復帰)し、アミノ酸の無い条件下で目視可能なコロニーを形成するため、この復帰したコロニー数を数えることにより、変異原性を有するかどうかを判定します。
Ames試験は、化学物質の遺伝毒性やがん原性の予測に用いられるだけでなく、突然変異物質や発がん物質の作用機序の解明にも用いられています。このため、世界中で広く最も一般的に行われている遺伝毒性試験の一つとなっており、国内では労働安全衛生法、化審法、医薬品医療機器等法、農薬取締法などすべての化学物質の申請において必須の試験となっています。
 
NOAEL(無毒性量)
化学物質の有害性の程度を表す指標の一つで、慢性毒性試験などの動物試験で、毒性試験期間中に試験物質を与え続けても、動物に毒性(有害な)影響がみられない最大の投与量。
 
ADI(一日摂取許容量)
ヒトがある物質を毎日一生涯にわたって摂取しても健康に影響がないとされている量。まず、動物実験で動物が一生涯、毎日食べたとしても影響が出ない無毒性量を定めます。そして種の違いや一人一人の違いを考えて無毒性量を100で割った値をADIと定めます。日本ではこのリスクを評価しているのが食品安全委員会です。
 
JECFA
国連の食糧農業機関(FAO)及び世界保健機関(WHO)は、FAO/WHO合同食品添加物専門家会議「FAO/WHO Joint Expert Committee on Food Additives (JECFA)」を設けて添加物の安全性評価を行っている。JECFAは、各国の添加物規格に関する専門家及び毒性学者からなり、各国によって実施された添加物の安全性試験の結果を評価し、一日摂取許容量(ADI)を決定している。
 
EFSA
欧州食品安全機関(EFSA)と呼ばれ、欧州委員会(EC)とは独立した機関として設置されている。食品の安全性に関して、欧州委員会等に科学的な助言を与える組織。あらゆる食品に関わるリスクが評価の対象になっている。
 
in vitro
in vitro(イン・ビトロ)とは、“試験管内で(の)”という意味で、試験管や培養器等の中でヒトや動物の組織を用いて、体内と同様の環境を人工的に作り、薬物の反応を検出する試験のことを指します。
 
遺伝毒性試験は、化学物質の発がん性や遺伝的障害を短期間で予測することができるスクリーニング試験です。
 



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